キッチンリフォームで使いやすさを決める
4つのポイント
毎日使うキッチンだからこそ、住まいのなかでもっとも心地よい空間にしたいものです。そんな居心地のよい空間にするポイントは、【導線】・【収納】・【保管】・【高さ】の4つです。その点を考慮することで快適なキッチン空間をリフォームで実現できるはずです。ここでは、その4つのポイントを詳しくご説明します。
掲載事例:「真ん中コア」がつくるニュートラルな生活空間(デザイナーズリフォームAwn)
Point
作業の流れにそって、キッチン導線を考える
収納計画は、食材のほか調味料や調理器具まで配置を考える
ゴミの保管スぺ―スも事前に確保する
身長に合わせて最適なキッチンの高さを把握する
普段の作業の流れにそって、キッチン導線を考えるのがGOOD!
日々の家事導線に沿って必要な場所に必要な器具と必要な食材が置かれている、使い勝手の良いキッチンにするだけで、毎日楽しく過ごせるようになります。
キッチンのレイアウト、デザイン、ワークトップ、調理家電、そして収納にはそれぞれ好みがありますが、キッチンリフォームにおける最大のポイントは「導線設計」。家族構成や、ライフスタイルなどをしっかり考慮して、その内容に即した作業効率を踏まえた導線設計を考える事で、ほんとうに使いやすいキッチンになります。
調理の流れを考えて、順番ごとに配置する
右利きの場合
冷蔵庫(食材出す) → シンク(洗う) → 調理台(刻む) → コンロ(加熱)
左利きの場合
コンロ(加熱) ← 調理台(刻む) ← シンク(洗う)← 冷蔵庫(食材出す)
上記が作業の流れにそった理想的な配置となります。イラストも参考にご覧ください。
さらに、準備が終わって配膳、その後片付けや食器棚に戻す動作が一連の流れとなります。ダイニングや食器棚との動作の流れも含めて考えると、より使い勝手のいいキッチンスペースになります。
食材はもちろん、調理器具やカトラリー、調味料の配置まで考えた収納
キッチン収納のポイントは、十分な収納の確保です。キッチンに隣接したパントリー(食品庫)を確保できると、キッチンの導線や収納力は格段に良くなりますが、マンションや狭小住宅のキッチンでは限られたスペースに沢山の食材ストックや調味料、調理家電などを配置しなくてはならず、どうしても雑多な雰囲気になりがちです。
そこで、システムキッチンの収納だけではなく、キッチン背面などのスペースも活用してパントリースペースを設けたり、調理家電で雑多にならないようなポイントをご紹介します。
キッチン収納は、調理道具や収納場所によって、使い分けること
キッチンには、食材はもちろん、食用油や醤油などの瓶・ペットボトルからスバイスに至る小さな瓶入りの調味料、大きな鍋からお玉やしゃもじといった調理器具、炊飯器やオーブンに代表される数々の調理家電、そして、大きな冷凍冷蔵庫に至るまで、種類も大きさも違う多種多様なものが多く集まっています。
キッチンの収納は、ちょっとした工夫で使い勝手が大きく変わります。ここでは基本的なキッチン収納の種類、それぞれの収納にはどんな特徴があるのかをご紹介しています。
調理器具は使う場所に合わせて収納する
シンク下はボウルやザルなど、シンクで水を使うものを収納しましょう。各種のキッチン用具は、調理中に手を伸ばしたところに配置されていることが大切。その他キッチン用具の配置にも十分気を使いましょう。
たとえば、大きな鍋はシンクの下、フライパンはコンロの近く、キッチンばさみや計量スプーンといった調理中に使う道具は調理台の下、鍋や調味料など加熱に使うものはレンジの下やコンロ下に収納するなど、調理の導線に沿って使いやすい場所に配置することが大切です。
収納は、「引き出し」にすると取り出しやすく整理しやすい
奥行きのあるキッチンでは引き出し収納がお勧めです。調理台の下はもちろん、シンク下、コンロ下を引き出しにすると、奥までたっぷり使えてラクに出し入れできるので機能的です。
吊戸棚の取り付け位置 目の高さから10~15cmほど上が1番下が来るように設置すると便利
収納力がある吊り戸棚ですが、設置する高さには注意が必要です。
たとえ、使いやすい高さだとしても頭が当たってしまうようでは邪魔になってしまいますし、頭が当たらないような高さにすると手が届かなかったりしてしまいがち。そこで、使い勝手が良くなるような位置に設置することが求められます。高さの目安として、目の高さから10~15センチほど上を吊り戸棚の下端に合わせ、高さを70センチ程度にするのが、もっとも使い勝手が良い高さのようです。また、一般的な両開き戸式(観音開き)の吊り戸棚より、引き戸やフラップ形式の吊り戸棚が開いた扉が頭に当たる心配もなく、使い勝手も良くなります。
壁面を上手に活用
現在は対面式のキッチンが人気ですが、収入スペースが多いことも特徴のキッチンです。キッチンとは反対側の壁は一面、収納スペースとして利用できます。調理をしながら振り向くだけで大容量の収納から物が取れるという動線は使い勝手もよく、常にキッチンの作業台などに物を置かずにすむため、壁面は有効的に収納として使うことをおすすめします。
掲載事例:吹き抜けがダイニングスペースに!(One's Life ホーム)
人気のアイランドキッチンと大容量のパントリー収納。壁一面に統一性のある収納は、冷蔵庫も含めてしっかり位置を計画することで実現しました。
その際に、作業台とその壁画の収納との距離も重要です。離れ過ぎていて動作が多くなっては、せっかく収納できても使い難く感じてしまいます。距離としては1m前後にとどめておくと、少しの動作で物の出し入れができます。また、すれ違う距離としても丁度いい距離感となります。
ゴミの保管スペースもしっかり確保
キッチンをリフォームするとき、毎日のように出る生ゴミや容器包装ゴミ、瓶や缶などの資源ゴミを毎週のゴミ集配まで保管するスペースは重要です。緻密な導線設計を考えた使い勝手の良いキッチンにリフォームできたとしても、ゴミ袋やごみ箱が導線を妨げてしまうようでは意味がありません。
ゴミ箱の配置は、下ごしらえをするシンク廻り。タテに重ねたり、食器棚に組み込んだり、センスの良い「魅せるゴミ箱」にしてみたり、空間に余裕があれば、ゴミ箱を外に置く方法もあります。
キッチンの使いやすさは、身長にあわせた高さを把握すること
自然な姿勢で作業ができるキッチンの高さが理想です。合わない高さのキッチンでは、腰痛などが起きる原因とも言われています。ただし、高齢になると少し前かがみの姿勢になりやすいので、ワークトップの高さは低めが合う場合もあります。
高さは、キッチンを選ぶ際にもよく確認しておきましょう。
理想のキッチンを選ぶ際は、見た目のデザインだけではなく「ワークトップ」「シンク」「コンロ」の3点をバランスよく考えることが重要です。ワークトップの高さを身体の大きさに合わせても、鍋やフライパンを扱う際に高すぎるという事もあります。逆に、洗い物の際のシンクの低さが原因で腰痛などのトラブルに見舞われる方も。
ショールームでキッチンを選ぶときには、普段使うスリッパに履き替え。
ショールーム側で対応いただける場合は、普段使うまな板や包丁、そして、普段使いの鍋を持ち込んで、納得いくまで試してみると、普段の使用感などイメージにも繋がりやすいでしょう。
キッチンの高さを身長から割り出す方法
まず大切なキッチンの高さですが、身長を2で割って5cmプラスします。 つまり、身長160cmの方のキッチンは85cmがちょうどいいとこになります。ただし、普段キッチンでスリッパをはいているという方は、身長にスリッパの厚みも足して考えたほうがよいです。
最近では肘下の長さを参考にキッチンの高さを割り出す方法がより良いという見解もあります。手の長さなどを考慮して高さを割り出す方法です。軽く肘を曲げて立った姿勢で、床から肘の下までの高さを測ります。そこから、14cm引いた高さがキッチンの高さとして最適とのことです。
また、シンクの深さもよく検討しましょう。システムキッチンのシンクの深さは、20cm前後が主流。深さの目安はシンクの底に自然に指が届く程度が良いでしょう。それ以上深くなると低すぎて腰痛の原因になるといわれています。
キッチンのガス台やIHクッキングヒーターの高さ
コンロがガスなのか、IHクッキングヒーターか。コンロの選択でも最適なキッチン高さが変わってきますシステムキッチンのガスコンロの高さは、ワークトップの高さにゴトクのある分高くなります。そこから鍋の高さを足すことになるので、ワークトップの高さも考えた方がいいかもしれません。
最近では、システムキッチンのワークトップとゴトクの高さを合わせるため、ワークトップよりもゴトクの厚みだけ下げて、ワークトップと高さを揃えたビルトインコンロが登場しています。ワークトップと高さの揃ったビルトインコンロだとIHクッキングヒーターのように鍋などの移動がラクにできます。また、鍋を真上からのぞいて様子を見たい時も、ゴトクの高さを考えなくて良いので、とても便利です。
掲載事例:ホテルライクなモダンな部屋に改装(山商リフォームサービス)
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