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マンションリフォームと戸建てリフォームの違い(3)

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リフォーム・リノベーションは、大きくわけて戸建リフォーム、またはマンションリフォームに分類されます。そして、戸建リフォームとマンションリフォームでは、計画の進め方、考え方が大きく異なます。

戸建リフォーム

戸建住宅は、木造軸組工法、木質パネル工法、2×4工法、鉄筋コンクリート造、鉄骨造など構造・工法によってリフォームの自由度がまったく異なります。
構造を無視した間取りの変更、吹き抜けをつくる、1階・2階の増築は、構造・工法によっては耐震・耐久性を落とす可能性もあり、安全性にも関わってきますので、リフォーム会社の選定とあわせ、慎重に対処しなければなりません。

また、建ぺい率や容積率などの法的規制により、地下室の増築や敷地いっぱいに増築することに制限をうけるほか、リフォームの規模によっては建築確認申請が必要になるなど、予算やスケジュールに注意する必要があります。さらに、不満・不安を解消するリフォーム計画とは関係なく、屋根、壁等の定期的な修繕・メンテナンスも必要となります。

戸建住宅で比較的自由度が高いのは、水廻りの変更、ならびに電気設備や建具の変更。ただし、IHクッキングヒーターに交換する場合は、分電盤の交換が必要になったり、ドアやサッシを交換する場合は、お住まいの地域の防火規制を確認する必要があります。

<戸建てリフォームの場合の注意点>
・構造工法によってできること、できないことが大きく変わります。
 まず、耐震診断を受ける(できれば営業担当者による目視確認ではなく、第三者機関による調査)
・5年毎のメンテナンススケジュールに沿って、計画的に効率いい修繕計画と目的別のリフォームを行う
・屋根と外壁工事のように、足場を組む仮設工事が含まれるものはいっしょに行なうと長い目ではコストダウン
・住みながらのリフォームは割高になるほか、想像以上にストレスが。仮住まいも検討
・建て替えるべきか、リフォームするべきか、住み替えるべきか、シミュレーションしながら比較検討

マンションリフォーム

マンションには専有部分と共有部分があり、リフォームができるのは、基本的に玄関ドアの内側からサッシ内側までの専有部分になります。

『ラーメン構造』のマンションの場合は、室内の間仕切り壁のほとんどを撤去・移動することができますが、『壁式構造』の場合は間仕切り壁も建物を支える構造体であることが多く、撤去することができません。
どこまで間取りが変更できるかは、上記の建物構造との兼ね合いから変更の自由度が大きく異なります。

水廻りの変更や電気設備の変更にも制限があります。
水廻りの変更は、給排水管の位置と構造、床下空間の余裕の有無で、キッチンやトイレをどこまでどのように動かせるかが決まります。

マンションリフォームで自由度が高いのは、壁材・天井材の貼り替えや塗り替え、室内ドアなどの建具の変更です。

ただし、床材については、下階への音の配慮から制限される場合があります。
したがって、床材の変更にあたっては、管理規約と照らし合わせたり、変更前に管理組合の許可が必要になると考えて差し支えないでしょう。

また、意外に知られていないのが天井高を上げること。
天井裏も専有部分になることから、構造体のコンクリートの内側までなら、配線や配管、ダクトなどに配慮すれば、天井板を外して天井を高くすることができます。

<マンションリフォームの場合の注意点>
・床材の変更は、あらかじめ管理規約を確認(カーペットからフローリングなどへの変更禁止事項など)
・共有部分(玄関ドア、窓、ベランダ、構造躯体など)の工事は特に注意
・マンション共有部分、近隣、上下階などへの配慮は忘れずに
・住みながらのリフォームは困難。工期を遅らせる原因で見積もり金額も上昇してしまいます
・仮住まいの場合は、仮住まい費用ならびに往復の引越し代を考慮すること

マンションリフォームと戸建てリフォームの違い

住生活コンサルタント 小野 信一住生活コンサルタント 小野 信一

住生活コンサルタント 
小野 信一
ネクスト・アイズ株式会社

『こんな私に少しでも好感をもっていただけたら、あなたのお役に立てるかもしれません。メールやお問い合わせ、是非お待ちしております。』
一般消費者への家づくり情報を発信する「ハウスネットギャラリー」を運営する一方、「欠陥住宅を造らない会」、「ちっちゃな工務店クラブ」事務局も兼務。一般消費者への住まいの相談業務は2500人以上を数えます。
その豊かな実例をもとに“家づくり必勝法”(NHK出版)を発刊。
経済産業省 住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会委員。 日本FP協会会員。

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