リフォーム業界の背景(1)
高度成長期におけるスクラップ&ビルドの繰り返しによる新築偏重政策から一転、住宅ストック量の充足と本格的な少子高齢化、人口・世帯減少から、国の住宅政策も“量から質への転換”が求められ、民主党政権における住宅政策のマニュフェストにもリフォームは最重点に位置付けられています。
また、2008年のリーマンショック以降の急激な不況により、雇用不安もあいまって消費者もなるべく安くという思いから、割安で取得しやすい中古住宅付土地を取得し、リフォームをしたり、建替え層においては、とりあえず数年様子見でのリフォームという傾向もあり、住宅版エコポイント制度の導入により、消費者需要も喚起しているのも事実です。
しかし、一方ではリフォーム産業はまだ成熟しておらず、行政の規制もなく、悪徳リフォーム業者が乱立し、欠陥住宅などの問題も絶えず起きていることも忘れてはなりません。
リフォームをする上で大切なことは、こうした背景をよく熟知した上で、修繕維持計画などを盛り込んだセカンドライフを含む総括的なライフプランを整理し、財産の保全をはかるとともに、建物の現況を把握した上で、リフォーム会社の施工技術や倒産リスクなども考慮に入れておかなければなりません。
また、今後は既存住宅流通保険、リフォーム保険などの法整備も急激に行なわれると見られ、きちんとした知識も身に付けておくことが必要です。