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何百年も持つ“我慢し”耐える家

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若い人たちが浴衣や着物を好んで着るようになり、日本料理にも人気が集まり、その格好の良さや美味い味のみならず、清々しさや優しさ、さらには健康的な感覚、そうです。肌触りや舌触り、さらには足触りが、衣食住において自然素材の持つ本物思考となっているような気もするのです。2025年現在、サステナブルな社会を目指す意識の高まりから、日本の伝統文化や自然素材への関心が再び高まっています。住まいにおいても、自然素材を取り入れ、日本の気候風土に合わせた家づくりが注目されています。

1. 日本の住まいの原点:湿気との共存

中でも年中暮らす家は長年に渡って、わが国個有の風土と気候の中に息づいているのです。そのテーマこそ“湿気”です。寒さ対策は先の断熱をしっかりして窓をきっちり締め、まきや炭などを炊いて、自らは重ね着すれば過ごせます。しかし熱く、しかも今のような湿気の多い季節は例えクールビズと言えども、つらい時期です。「夏を旨とすべし・・・」の「徒然草」の気候風土を原点とする本質は、本来のあるべき姿を教えていて、まさにこの梅雨の季節の過ごし方とも言えるのです。2025年現在、調湿性能に優れた漆喰や珪藻土などの自然素材を活用することで、快適な室内環境を実現できます。

2. 伝統が教えてくれること:住まいの知恵

皮肉なことにわが国の住まいは暑いときも寒いときも住む人にとっても、その構造においても、常に湿気に関わって来たことが分かります。この梅雨の季節こそわが国の住まいはその本領を発揮するのです。2025年現在、伝統的な日本家屋の構造や素材を見直し、現代の住宅に取り入れることで、快適性と機能性を両立させることが可能です。

3. 未来へのヒント:我慢と自然との調和

そこでこの先さらにどうなるかですが・・・、難しく考えることはないのです。今までやってきた事のちょっとのことを我慢し、節約するだけでいいのです。すでに高齢者の多くはエアコンを嫌い、自然の風を求めて自然と調和する生活を求めているのです。なぜならそれが経済の心配がなく、風邪も引かず何よりも快適だからです。2025年現在、スマートホーム技術を活用し、自然換気を促したり、日射を調整したりすることで、エネルギー消費量を抑えながら快適な室内環境を維持することができます。

このちょっとの我慢は飽食の時代に、心と体で豊かな気持ちとなるのです。そして次第にその住まいの形はかつて見た民家や町家、あるいは白川郷の合掌造りの構造や原理を彷彿させるものとなるのです。そして昔の人がよくしていたように時々わが家を離れて観たり、家の周りを歩いて回って雨後の点検をするなどで、その家は何百年も持つ“我慢し”耐える家となるのです。

■イラスト:雨後の点検ポイント(天野彰)
■イラスト:雨後の点検ポイント(天野彰)

■我慢し耐える家、京都町家(写真天野彰)
■我慢し耐える家、京都町家(写真天野彰)

■京都町家風景(写真天野彰)
■京都町家風景(写真天野彰)

■R邸:二階を吹き抜けにして風と光を通すリフォーム(写真天野彰)
■R邸:二階を吹き抜けにして風と光を通すリフォーム(写真天野彰)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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