傷みや劣化が気になる前に日頃のお手入れはかかさずに
住んでいて傷みや劣化が気になった場合の対処と、日頃のお手入れについて解説していきます。
■天井・内壁・壁のお手入れ
天井・内壁は住宅用の洗剤やホームセンターなどで販売している補修材を使って、自分で比較的かんたんにお手入れや補修ができます。
しかし、長年にわたって蓄積した汚れや傷みはかんたんにお手入れすることは難しい場合があるので、日頃の細かいお手入れを心がけましょう。高さ2mを超える高所のお手入れは、転落すると大けがを負う可能性があることから、お手入れに不安を感じたらプロに任せたほうが安心です。
また、素材によってお手入れ方法が異なります。次は、素材別のお手入れポイントを解説しましょう。
■素材別 日頃のお手入れ方法
《ビニールクロス》
固く絞った布で水拭きするだけで、軽い汚れ程度であればきれいになります。表面のカビを取る場合は、中性洗剤などを薄めて拭き、ドライヤーで乾燥させましょう。市販のカビ取り剤を壁に直接スプレーするときは、必ず下から上にスプレーして、洗剤がたれないうちに、手早く下から上に拭きます。
※カビ取り剤や漂白剤を使用する際は、窓を開けて換気する。マスクやゴム
手袋を使い、誤って吸い込んだり身体につかないようにしましょう。
《板張り》
木質の床材に使える中性・弱アルカリ性の住宅用洗剤を薄めた液を使用し、雑巾で汚れを拭き取り、きれいになったら水で洗剤分を拭き取ります。さらに乾いた布で水分を十分に拭き取ります。
point:定期的なワックス掛けで、擦り傷・シミの予防になります。
《塗り壁》
風合いが損なわれたり傷んだりする場合があるため、水拭きや洗剤の利用は厳禁です。柔らかく傷がつきやすいため、こすると汚れが広がってしまいます。帯電タイプのハタキや、洋服ブラシのようなブラシなどでホコリを払いましょう。
《白木》
シミの元になる水分が付着しないように、日頃から注意しましょう。手あかなどの汚れは、市販の白木用漂白剤を使って軽く拭き、後でお湯拭きして漂白剤が残らないように拭き取ります。
point:白木用ワックスを塗っておくと汚れが防げます。
※白木用漂白剤を使う際は、窓を開けて風通しをよくしてから行いましょう。
《板張りの床》
フローリングの床が汚れてしまったら、木質の床材に使用できる、中性・弱アルカリ性の住宅用洗剤を薄めた液で汚れを拭き取ります。きれいになったら、水で洗剤を拭き取り、乾いた布で水分を十分に拭き取ります。
point:擦り傷・シミを予防するには、定期的なワックス掛けが有効です。
ただし、必ずすべり止め剤入りの木質床用ワックスを使用しましょう。
※ワックスを塗った後、完全に乾燥するまで窓を開けて室内の風通しをよくしておくことが大切です。
《カーペットの床》
・部分的な汚れの場合
市販のカーペット用洗剤、または住宅用洗剤を薄めたぬるま湯で、汚れの外側から内側に向け、目なりにたたくようにして拭きます。※カーペットをむやみにこすると、汚れが周辺に広がってしまうので注意。
・全体的な汚れの場合
年2回程度は市販のカーペット用洗剤や中性洗剤で簡易なクリー二ングをしましょう。雑巾をおしぼりのように巻いて拭きます。最後は乾いた布で水気を十分に取り、窓を開けて風通しをよくして乾かします。
point:雑巾は汚れたらこまめに取り替えることで、他の部分に汚れが移ってしまうことを防げます。
・家具などでカーペットがへこんだ部分について
アイロンをカーペットの上に直接置かないようにしながらスチームアイロンの蒸気で蒸します。蒸した後で、倒れている毛並みの逆から数分間へど掃除機をあてると、毛並みが起きてきます。
point:仕上げに、手でならすとへこみが目立たなくなります。
次回は、屋根・外壁の点検ポイントと、基礎・土台・柱・梁の点検ポイントを解説します。