見積書の見方~リフォーム業界の背景(5)
見積書の見方といっても、それのみで全てがわかる人などいません。
付属する必要書類である平面図、立面図、断面図、外部・内部仕上げ表などと照らし合わせ、一つ一つ確認する必要があります。特に重要なのは、外部・内部の仕上げ表です。
これがないと見積書だけでは、詳細なものでない限り読み込むことができません。
各階、各部屋の床・壁・天井の仕上げ、設備があればメーカー名と大きさと品番が書かれており、見積書と整合性をチェックします。
設備などは、単価も定価からどれだけの仕入れ率か、適正な50%程度で抑えられているか、ともなう工事費は適正額かどうか、そして諸経費、現場経費は適正に計上されているかどうかも見ます。諸経費、現場経費などが計上されていない場合は、そのほとんどが全ての経費に15%~20%上乗せされているケースが多く、設備などの仕入れ率が70%前後まで高くなるので一目でわかるはずです。
材料と工賃が分離していない見積書と併せて、決していい見積書ではありません。
また、平面図、立面図、断面図などで床・壁の面積を計算し、見積り落ちや数量の拾いすぎなどもチェックします。
最後に、別途工事が明記されているかどうか、明記されている場合はどこまでが別途工事であり、予備費としてどれだけ見込まなくてはいけないかを計算します。
見積書と契約申込書が一体となっている最も悪い見積書の例です。
見積書と契約書を見れば、業者の良し悪しが判断できます。
具体的なポイントは表を見ていただければお分かりの通りです。このまま大幅な値引き、サービスなどに魅かれ調印してしまうと大変なことになります。例えば、これは浴室改修工事の例ですが、床・壁・天井に何が使われているのかは全くわかりません。
100角タイル(10cm×10cmの大きさ)なのか、300角(30cm×30cmの大きさ)の大理石なのか、浴槽もホーローなのか人口大理石なのか、その大きさも幅が1200(1m20cm)のものなのか1600(1m60cm)なのかは不明です。例えば、これは浴室改修工事の例ですが、床・壁・天井に何が使われているのかは全くわかりません。
後から一番安いものだと言われ、変更したら金額がかなり高くなったという話の典型です。
こんな簡単な手口に乗らないよう充分配慮すべきです。