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住まいが犬の身体に与える負担

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「犬との住まいを見直す――」一見住居のことだけを指しているようですが、実は犬と私たちの関係、ひいては私たちの生活全体を見直すことを意味しているのです。
実際に、さまざまな症状で来院する犬を診察している広尾動物病院 高須覚獣医師は、最近のペットの住宅事情について次のように述べています。

「最近のペットブームの煽りを受けて、無理な交配から生まれつき股関節や膝に疾患がある犬が少なくありません。さらにフローリングなど滑りやすい床や、ソファなどから飛び降りる際にさらに足腰に負担がかかり、将来的には自力での歩行が困難になる場合もあ
ります。
犬は歩行の際前足に70%以上の力がかかっています。段差や床材の影響でさらにその負荷が大きくなること、さらにそれが毎日の暮らしの中で積み上げられていくことが将来的な健康を脅かす原因のひとつになることは否めません」(獣医師名、写真有)

それでは私たちとペットをとりまく生活環境の中で、ペットの身体に負担を与える要素について具体的な例をあげてみましょう。

【段差(階段)】
日本では土地の面積を活用するために住居に高さを求める傾向が強く、階段などの段差がある家がめずらしくありません。しかし犬は階段が大の苦手。
しかも段差は転落や骨折などといった危険を伴います。
できるだけ犬の生活空間を1階部分に制限するなど階段を使わないようにしてあげましょう。
どうしても犬が階段を上り下りすることが必要な場合には階段自体を滑りにくい素材にする、階段の段数を増やして各段差をできるだけ低くする、階段の勾配を緩やかにするなど犬の身体にかかる負荷を軽減するよう工夫してあげましょう。

【床】
最近の住居には床材にフローリングが使われていることが多いのですが、フローリングは犬にとって滑りやすいため足腰に負担をかけてしまうことが多いのです。
本来犬は土や草原を4本の足で思い切り駆け回る動物です。しかし滑りやすいフローリングではそういうわけにもいかず、暮らしの中で気づかない間に身体のバランスが崩れてしまうのです。滑りにくい床材を利用し、先々の病気から犬を守ってあげましょう。

【壁材】
犬の鼻は人間の1,000,000倍の能力を持っています。
人間には到底できない遠くのニオイを嗅ぎわけることができる分、近くの強いニオイが負担になります。壁に使われている接着剤の中には犬にとって強烈なホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物などが含まれているためシックハウスの原因になることもあります。
できる限りそのような化学物質を発生させる建材を使用しないようにしましょう。

次のページでは、犬種ごとに気をつけてあげたい住まいのポイントを見てみましょう。

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