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安心の中古住宅を選ぶコツとは

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10月の消費税増税前に新居での新しい暮らしを考えるとき、程度のよい中古住宅を購入して、9月末までにリフォームして入居するという考え方があります。この場合、建物価格や諸経費などを含めた消費税率は8%になります。

安心の中古住宅を選ぶコツをご紹介

3点の中古住宅メリットとデメリット

<中古住宅のメリット>
・新築より割安で購入できる
・実物を自分で確認して購入できる
・築年数や広さなどは、物件によってまちまちでも、交通の便などの立地条件を優先できる

<中古住宅のデメリット>
・建物や設備が古いことから、近い将来の修繕コストがかさむ可能性がある
・中古住宅にリフォームしないで住んだ場合、住宅ローン控除で戻るお金が少なめ(購入時に消費税がかからない個人間売買の場合)
・不動産会社を通して購入する場合、仲介手数料がかかる。

となると、立地条件がよくて建物の程度が良い中古住宅を安価に購入して、リフォームすることで、増税前に注文住宅と遜色ない新居に住むことができるわけです。
ところが、中古住宅の建物の状態は、それこそ物件によってまちまち。「品質が不安」・「古い、汚い」・「選ぶための情報が少ない、わからない」という、いわゆる「中古住宅(以下:既存住宅)」のマイナスイメージは、そう簡単には消えないものです。その中古住宅にまつわる不安を解消する制度をご紹介します。

中古住宅の「不安」・「汚い」・「わからない」を払拭する 安心R住宅制度

住宅ローン控除やすまい給付金を受けるときの必須条件である、【新耐震基準への適合】をはじめ、購入を決めるにあたって必要になる書類、既存住宅として[ある程度]の見た目の水準をクリアするなど、所定の基準を満たした中古住宅が【安心R住宅】として認められます。
【安心R住宅】商標を付ける条件は、至ってシンプル。以下の4つになります。

1.住宅として基礎的な品質があること

■耐震性がある(震度6~7程度の地震では崩壊・倒壊しない耐震性)
■インスペクションの結果、構造上の不具合および雨漏りが認められないこと
■要望に応じて「既存住宅売買瑕疵保険」を付けることができること

2.リフォームされていること

■リフォームされており「既存住宅だけどきれい」なイメージ
■広告などで写真を見て、リフォームされた内容などを確認できる(外装、主たる内装、キッチン・浴室・トイレなどの水廻り)
■リフォームされていない場合は、これからリフォームにかかる費用やリフォーム後のイメージがわかる

3.情報が揃っていること

■新築時に適法かどうか、認定等を取得している、必要な設計図書が揃っているか、いままで実施した点検や修繕内容がわかる
■どんな保証・保険をつけられるかがわかる
■省エネに関する情報がわかる
■マンションなどおいては、管理規約・修繕積立金・大規模修繕・修繕履歴がわかる

4.相談できる場所があること

■トラブルがあっても相談できる場所がある

インスペクション説明の義務化

宅地建物取引業法の改正で、2018年4月1日以降から不動産の重要事項説明時にインスペクション(建物状況調査)に関する説明が義務づけられています。
インスペクションとは、専門家による建物状況調査を指し、宅地建物取引業者(不動産会社)は、媒介契約をする際にインスペクション事業者のあっせんが可能かどうかを契約書に記載したり、インスペクション(建物状況調査)が実施された場合、重要事項説明の際にその結果について買い主に説明したりすることなどが義務づけられています。注意しなければならないことは、あくまで「説明の義務化」でありインスペクション(建物状況調査)の義務化ではありません。

最後に、いずれの制度も始まって間もない制度であることから、購入前に必ず現地で現物を見て、細かな確認が必要です。
たとえば【安心R住宅】の要件は《新耐震基準》適合です。つまり。現行の耐震基準は満たしていない可能性があります。インスペクション(建物状況調査)済みとして報告を受けたとしても、悪い売主の場合、都合の悪いところを隠しているかもしれません。
中古住宅を購入する前は、必ず売り手側の内容をうのみにせず、費用はかかりますが買い手側も信頼できるインスペクション事業者にお願いすることも検討しておきましょう。

住生活コンサルタント 早坂淳一住生活コンサルタント 早坂淳一

住生活コンサルタント 
早坂淳一
ネクスト・アイズ株式会社

大手百貨店にてクレジットカード事業の立ち上げやポイントカードシステムの運用、全店販促支援システムの運用、売場リニューアルブロジェクトなど、新規事業を中心とした業務に従事。 その後、携帯キャリア店舗改善プロジェクトや不登校児童・生徒活動支援プロジェクト、工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在は第三者機関ネクスト・アイズにて、住宅コンサルタントとして活躍中。

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