中古住宅購入時に必要と思っているのは『瑕疵保険』が6割以上
2017年の首都圏の不動産成約件数は中古マンションが37,329件と過去最高を記録したことが、東日本不動産流通機構がまとめた首都圏動向調査が発表されていますが、あわせて中古住宅購入時に必要と思われることとして『瑕疵保険が付保されていること』という調査が公表されています。
※2017年 住宅の居住志向および購買に関する意識調査 2018年1月23日発表
(公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会)
「瑕疵保険」や「節税」など安心して中古住宅を購入したいという意識が高まっている
新築住宅では10年の瑕疵保険が義務づけられていますが、既存住宅(中古住宅)においては、瑕疵保険の付保が任意となっています。結果として、いままでは瑕疵保険が付保されている中古住宅を積極的に選ぶ動機にはなりえませんでした。
ただし、現在は耐震基準を満たす中古住宅の取得に係る税の証明書類として、既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書が利用できることから、既存住宅瑕疵保険つきの中古住宅の認知が高まっています。
既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書は、以下にあげた税の証明書類として利用できます。
(1)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除
(2)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例
(3)直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等
(4)住宅用家屋の所有権の移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置
(5)既存住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置及び既存住宅の用に供する土地に係る不動産取得税の減額措置。
アンケート調査結果によると、住宅の瑕疵保険については『聞いたことがあるが内容は知らない』を含めると全国平均では48.9%の認知となっています。一方で年代が高まるにつれ認知率が上がっている傾向、地域別では関東が50%を超える認知など、年代別・地域別による差がありました。
2018年4月施行の改正宅建業法に伴うインスペクション説明義務はもちろん、修繕履歴が残っていることも重要視する方々は多くいらっしゃいますが、税の証明書類として瑕疵保険が必要とお考えの方々は6割以上。それだけ、中古住宅購入の場合でも、住宅取得にあたっての節税意識は強い、ということですね。
続いて、既存住宅の瑕疵保険は中古マンションにもつけられるか、ということについて解説します。
既存住宅の瑕疵保険付保は戸建住宅が対象とお考えの方々も数多くいらっしゃいますが、分譲マンション(区分所有)でも瑕疵保険をつけることができます。
※鉄骨造または鉄筋コンクリート造もしくは鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅に限ります。また諸条件によって瑕疵保険をつけられない場合があります。
また、マンションなどの共同住宅で住戸単位で検査する場合は、給排水管路担保特約をつけると、保険の対象に専有部分の給排水管路も含めることができます。より安心して中古マンションを購入できるようになりますよ。