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築35年のマンションは、どの程度までリフォームすべき?

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35年前に新築で購入したマンションについて、最低限のリフォームで済ませるべきか、老後も快適な仕様にすべきか、という件について解説します。

築35年のマンションのリフォームすべきポイントとは

築35年マンションは目に見えない配管系にも注意が必要

結論からお話しますと、古いマンションは現在のマンションと違いバリアフリーに対する配慮が行き届いていない場合があります。同時に、水廻り(キッチン・バス・トイレ・洗面)や内装(クロス・カーペット・フローリング・クッションフロア)も期間の経過とともに傷みが目立ちます。老後のことを考えると、水廻りの更新はもちろんですが、マンションにおいても段差解消や窓の高性能化による断熱性能の向上(管理組合の許可が必要になる場合があります)を、可能な限り優先すべきです。

古いマンションでも、管理組合が適切な大規模修繕を行っていれば、共有部分は適切に維持できている場合が多いですが、専有部分については、入居者が自分でメンテナンスしなければならないため、水廻りや内装の傷みはそのまま、という例も数多くあります。だれしも目につくのは、内装や水廻りの傷み。みすぼらしいインテリアや、水漏れしていたり部分的に破損している洗面化粧台やトイレ、お風呂では、家に帰るたびにげんなりしてしまいます。
ただ、見えない配管部分(特に配水管)が痛んで、排水口が臭いだけではなく階下に排水が漏れてしまった、とか、マンションなのに寝室が寒くて寝付きが悪い、とか、リビングが結露してカビだらけ、といった、近隣への事故補償リスクをはじめ、不具合を放置することで中長期的な健康影響が起きる可能性も、あわせてリスクとして考えなければなりません。

バリアフリーや断熱性にも注目したリフォームが重要

バリアフリー化については、中途半端な段差解消が最も危険です。12センチ程度の段差はむしろ目につきやすいことから、段差を超えるときに注意を払いますが、数センチ程度の段差は目につきにくいことから、かえって危険度が高いのです。1センチ程度の段差は、たとえば室内引き戸の敷居。数センチ程度の段差はマンション玄関の上がり框があります。
国土交通省が定める「バリアフリー住宅」の基準では、集合住宅では11cm以下、戸建て住宅は18cm以下の高さが望ましいとされていますが、実際のところ玄関の上がり框はもっと低いことから、中途半端な高さは逆に危険という可能性があるのです。

窓についても同様です。古いマンションは、ベランダ窓をはじめとする窓が1枚ガラスであることがほとんど。現在の住宅では高性能ペアガラスを使った高性能窓が標準仕様であることを考えると、古いマンション窓の低い性能では、窓の断熱性能は期待できない、ということです。
その場合は、お住まいのマンションで定められた基準に則り、適正な製品を選ぶ事で高性能なガラスへの交換ができます。

老年に向けたキャッシュフローも考えてリフォーム計画は進めましょう

35年間同じ場所に住み続けてきたことから、いずれは老人健康施設への入所も考えなければならないときがやってきます。一般的には入所にあたり多額の入所金が必要になることから、老年になってからのキャッシュフロー計画も考えなければなりません。そんなときは、独立系のファイナンシャルプランナーに有償で依頼することで、将来のキャッシュフローが客観的に見えるようになります。

そのキャッシュフロー表をもとに、リフォームにどの程度お金をかけられるかを判断して、見た目や使い勝手を優先するリフォームではなく、将来の家庭内事故を少しでも減らすリフォームを検討できるようになります。

そんな時に役立つのが、リフォーム会社でも建築会社でもない、客観的に相談に応じてくれる窓口を利用することです。
こちらのサイトでは、今までに15,000世帯以上の家づくりの相談に応じてきた専門家へご相談いただけます。もちろんご利用は無料です。
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住生活コンサルタント 早坂淳一住生活コンサルタント 早坂淳一

住生活コンサルタント 
早坂淳一
ネクスト・アイズ株式会社

大手百貨店にてクレジットカード事業の立ち上げやポイントカードシステムの運用、全店販促支援システムの運用、売場リニューアルブロジェクトなど、新規事業を中心とした業務に従事。 その後、携帯キャリア店舗改善プロジェクトや不登校児童・生徒活動支援プロジェクト、工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在は第三者機関ネクスト・アイズにて、住宅コンサルタントとして活躍中。

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